九谷焼のスプレーボトル |
全国的によく知られている作風でしょう。伝統的な絵柄(山水・人物・花鳥風月)の九谷焼も、このようなスタイリッシュな形に仕上がると、また一味違った印象を醸し出してくれますね。
また、平成9年、重要無形文化財(人間国宝)「釉彩磁器」に認定された三代目徳田八十吉(1933年9月14日 - 2009年8月26日)氏の作品は、色の配色のみで作品を仕上げていくのが大きな特徴。2008年にプロゴルファー石川遼選手が17歳で初優勝した際、徳田先生の作品が優勝トロフィーとして使用されました。(引用元:三代目徳田八十吉追悼特集サイト)
九谷焼の歴史に革新の技術を刻む
一色一色を狭い幅で克明に彩描していく技法:「彩釉(さいゆう)」。これが徳田先生が生み出した究極の技法です。※彩釉:約70色の色を使い分け、色の濃淡(グラデーション)のみで作品を仕上げる技法
さらに、約1050度という高温で絵付け焼成を行い、ガラス化した釉の中に色彩、輝きを閉じ込める。そうして生まれたのが「耀彩(ようさい)」です。これらの技法から、これまでにない、まったく新しい色彩、九谷焼が生まれました。
徳田先生の作品「耀彩壷・恒河」は、大英博物館ジャパンギャラリー入口にも展示されたそうです。先生は晩年に開催された古希展で、「作家の年輪は作品の積み重ね」とおっしゃっています。やはり、創作し続けることでしか得られない閾値があるということですね。
徳田先生の作品を何度か拝見しましたが、遠くからそのエネルギーに引き寄せられる強さがありました。そしてまた、作品自体がまるで息をしているような、みずみずしい美しさが印象的でした。心に残る作品は「生き物」なんですね。
<九谷焼 三代目徳田八十吉の作品はこちら>
0 件のコメント
コメントを投稿